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    <title>５分で癒される物語</title>
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    <updated>2008-09-03T10:02:21Z</updated>
    <subtitle>時間がないビジネスパーソンや、手のあかない主婦の皆さんが、ほんのちょっとの時間でほんのちょっと癒される為の物語集です。</subtitle>
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    <title>エア　と　変わった国</title>
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    <published>2008-09-03T15:00:00Z</published>
    <updated>2008-09-03T10:02:21Z</updated>

    <summary>　王が変わる国があると、　エアは、少しの期待と緊張を持って、　この町にやってきま...</summary>
    <author>
        <name>まみや</name>
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        <![CDATA[<p>　王が変わる国があると、<br />　エアは、少しの期待と緊張を持って、<br />　この町にやってきました。</p>
<p>　夏の暑さの残る町。</p>
<p>　ひとつ、深呼吸をすると、<br />　エアは、宿へと向かうのでした。</p>
<p><br />　次の日のこと。</p>
<p>　町の中央にある、噴水の前に、<br />　たくさんの人だかりが出来ていました。</p>
<p>　朝食後の散歩をしていたエアも、<br />　その輪の中に加わります。</p>
<p>　ひとりの男が、大きな声で、<br />　何かを叫んでいます。</p>
<p>　男の名前は、アフラ。</p>
<p>　立派なスーツを着て、王の批判をしています。</p>
<p>　力のない王。<br />　国民を見ない王。<br />　逃げ出した、臆病な王。</p>
<p>　聞いていて、気持ちが暗くなる言葉ばかりです。</p>
<p>　エアは、首を横に振ると、その場を後にするのでした。</p>
<p><br />　その次の日。</p>
<p>　王は、ついに変わりました。</p>
<p>　町は、王を迎える側と、否定する側に別れ、<br />　小さな決裂が起こっています。</p>
<p>　否定する側。<br />　その先頭に、アフラはいました。</p>
<p>　町に２つある高台の片方に上がり、<br />　城に向かって、何かを叫んでいます。</p>
<p>　その時でした。</p>
<p>　もう１つの高台の方に、集まった人たちが注目しだしました。</p>
<p>　エアが、怒った顔をして、立っています。<br />　そして、静まり返る町の人たちの方に向き直りました。</p>
<p>　「王が変わり、国が変わった。<br />　　しかし、あなたは変わったの？」</p>
<p>　曇った空に、太陽の光が小さく差しました。</p>
<p>　静かに、町を後にするエア。<br />　その姿に、アフラは、何を思うのでしょうか。</p>]]>
        
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    <title>エア　と　はたけに　おちた　なみだ</title>
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    <published>2008-08-27T15:00:00Z</published>
    <updated>2008-08-28T15:25:55Z</updated>

    <summary>　あついひざしを　うけて、　おおきな　はたけを　たがやす　おとこのまわりに、　た...</summary>
    <author>
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    </author>
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://iyashi-story.com/">
        <![CDATA[<p>　あついひざしを　うけて、<br />　おおきな　はたけを　たがやす　おとこのまわりに、<br />　たくさんの　こどもたちが　あつまってきます。</p>
<p>　ここは、ちいさな　のどかな　むら。</p>
<p>　むらのひとたちのために、<br />　やさいをつくる、そのすがたに　かんどうした　エアも、<br />　いっしょになって　あせを　ながすのでした。</p>
<p>　あるひのこと。</p>
<p>　おとこの　はたけに、ぶきをもった　おとこが　やってきました。<br />　そだてた　やさいを　うばいにきたのです。</p>
<p>　おとこは、おおきく　くびを　よこにふりました。</p>
<p>　おこった　ぶきをもった　おとこは、つれてきた　てしたに、<br />　おとこを　つれさるように　めいれいします。</p>
<p>　とおざかっていく　くるまの　かげを、<br />　こどもたちが　しんぱいそうに　みつめているのでした。</p>
<p>　つぎのひのこと。</p>
<p>　おとこは、かえって　きませんでした。</p>
<p>　かわりに、ぶきをもった　おとこが、また　やってきました。<br />　そして、なにかを　じめんに　なげすてると、<br />　やさいを　よこすように　さけびます。</p>
<p>　それは、おとこの　てぬぐいでした。</p>
<p>　むらの　おとなたちが、じゃまをする　こどもたちを　むしするように、<br />　はたけの　やさいを　ほりおこそうとします。</p>
<p>　そのときです。</p>
<p>　ぶきを　もった　おとこが、おおごえを　あげました。</p>
<p>　エアが、じめんに　おちた　てぬぐいを　ひろいあげたのです。</p>
<p>　そして、かべに　たてかけてある　くわを　てにとると、<br />　はたけを　たがやし　はじめました。</p>
<p>　それに　つづくように、こどもたちも、<br />　おとこに　おそわったように　はたけを　たがやし　はじめます。</p>
<p>　ぶきを　もった　おとこが、<br />　エアに　その　ほこさきを　むけました。</p>
<p>　きびしいめをして、おとこを　にらみつける、エア。<br />　その　めには、なみだが　にじんでいました。</p>
<p>　「ただしいことは、ぜったいに　うしなわれない。<br />　　だから、わたしは　まけないわ」</p>
<p>　ひとすじの　かぜが、はたけを　なでるように　ふきました。</p>
<p>　エアのまえに、こどもたちが。<br />　それを　とりかこむように、むらの　おとなたちが　あつまります。</p>
<p>　ぶきをもった　おとこは、すてぜりふを　はいて、にげていきました。<br />　<br />　とおざかっていく　くるまの　かげ。<br />　その　よこを、どろだらけになった、<br />　あの　おとこが　あるいてくるのでした。</p>]]>
        
    </content>
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    <title>エア　と　きんいろの　かがやき</title>
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    <published>2008-08-20T15:00:00Z</published>
    <updated>2008-08-20T12:40:57Z</updated>

    <summary>　あめのふる　ほそいみち。　みずたまりを　ふみしめる、おおきな　あし。　　だいち...</summary>
    <author>
        <name>まみや</name>
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://iyashi-story.com/">
        <![CDATA[<p>　あめのふる　ほそいみち。<br />　みずたまりを　ふみしめる、おおきな　あし。<br />　<br />　だいちを　おもわせるように　つらなっていく、ひとのかげ。</p>
<p>　その　すがたを　みつめながら、<br />　エアは　しんけんな　まなざしを　しています。</p>
<p>　ここは、まるい　ちいさな　むら。<br />　たくさんの　ひとたちが、やまおくへと　むかっていきます。</p>
<p>　そこに　あるのは、おおきな　きんざん。<br />　むらのひとたちは、<br />　そこでとれる　きんを　うって　せいかつしているのでした。</p>
<p>　そのひの　よるのこと。</p>
<p>　エアは、ひとりの　しょうねんに　であいました。<br />　ほそい　かたを　ふるわせて、<br />　きんざんへ　むかった　ちちおやの　ぶじを　いのっています。</p>
<p>　エアは、しょうねんの　かたに　てをおくと、<br />　しずかに　ほほえみました。</p>
<p>　きんざんの　ほうから　おとが　きこえます。</p>
<p>　むらのひとたちが　かえってきたのです。</p>
<p>　ひとり、また、ひとり。<br />　いえのなかから、たくさんの　ひとたちが　でてきます。</p>
<p>　そして、<br />　みんな、かぞくの　ぶじを　たしかめるように、<br />　だきしめあいます。</p>
<p>　しょうねんの　めに、ちちおやの　すがたが　うつりました。<br />　かけだす、しょうねん。</p>
<p>　ちちおやは、しょうねんを　だきしめると、<br />　ちいさな　あたまを　くしゃくしゃと　なでました。</p>
<p>　そのすがたを　みまもるように、<br />　しょうねんの　ははおやが　みつめています。</p>
<p>　しょうねんは、ちちおやから　はなれると、<br />　なにかを　まちわびているような　かおをしました。</p>
<p>　きんざんからの　おみやげです。</p>
<p>　エアが、あたりを　みわたすと、<br />　みんな、ぎんや　どう、きれいな　いしなどを　かぞくに　みせています。</p>
<p>　その　かおは、どれも　ほこらしげに　かがやいていました。<br />　<br />　しかし、しょうねんの　ちちおやの　かおだけが、<br />　くもった　よぞらと　おなじように、くらくなっていました。</p>
<p>　しょうねんは、しずかに　うつむきました。<br />　ははおやが、しょうねんを　うしろから　だきしめます。</p>
<p>　しょうねんの　ともだちが　かけてきました。<br />　<br />　そして、しょうねんを　ゆびさして　わらいものにします。<br />　ともだちたちの　ては、どれも　いしを　にぎっていました。</p>
<p>　ちちおやが、しぼりだすような　こえで、しょうねんに　あやまりました。<br />　めには、あふれんばかりの　なみだが　たまっています。</p>
<p>　しょうねんの　つくりえがおが、なによりも　つらく　かんじられました。</p>
<p>　そのときです。</p>
<p>　だれかが、ちちおやの　かたを　たたきました。</p>
<p>　エアです。</p>
<p>　そして、しずかに　じぶんの　ひたいを　ゆびさします。</p>
<p>　ちちおやも、つられるように　じぶんの　ひたいに　ふれました。</p>
<p>　そこには―。</p>
<p>　たくさんの　あせが　にじんでいました。<br />　たくさんの　すすが　たまっていました。<br />　<br />　おもいかえすは、きょうまでの　くるしみ。</p>
<p>　おもい　にもつを　かついだことも　ありました。<br />　たかい　やまを　のぼったことも　ありました。</p>
<p>　その　おかげで、きんざんで　しごとが　できたのです。</p>
<p>　ちちおやの　めから、なみだが　あふれました。<br />　もう、がまんすることが　できませんでした。</p>
<p>　「その　あせにこそ、いみがある」</p>
<p>　そらを　おおっていた　くもの　あいだから、<br />　きれいな　つきが　かおを　のぞかせます。</p>
<p>　さんにん　つれだって、あるいていく　ちちおやの　せなかが、<br />　きんいろに　かがやいているように　みえるのでした。</p>
<p>　</p>]]>
        
    </content>
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    <title>エア　と　なつの　おはかまいり</title>
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    <published>2008-08-13T15:00:00Z</published>
    <updated>2008-08-14T12:13:11Z</updated>

    <summary>　ちいさな　まち。　つぎつぎ　と　あつまってくる、きかんしゃ。 　もうもうと、け...</summary>
    <author>
        <name>まみや</name>
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://iyashi-story.com/">
        <![CDATA[<p>　ちいさな　まち。<br />　つぎつぎ　と　あつまってくる、きかんしゃ。</p>
<p>　もうもうと、けむりを　はきだして、<br />　きかんしゃは　つぎのえきへと　むかいます。</p>
<p>　ここは、みわたすかぎり　みどりのひろがる、<br />　ちいさな　ちいさな　いなかまち。</p>
<p>　とおくの　ほうから　ただよってくる<br />　せんこうの　かおりに、エアは　むかしを　おもいかえすのでした。</p>
<p><br />　そのひの　ゆうがた。</p>
<p>　エアは、ひとりの　しょうねんに　であいました。</p>
<p>　ボロボロになった　ギターケースを　かかえた、<br />　ちいさな　ギターひきです。</p>
<p>　おおきな　ゆめを　えがいて、<br />　とかいへと　むかった　しょうねん。</p>
<p>　その、おおきすぎる　ゆめに、<br />　しょうねんは　おおきな　まよいを　かかえていました。</p>
<p>　ゆめは、かなうのだろうか？<br />　このみちは、まちがっては　いないだろうか？<br />　<br />　そんな　ふあんばかりが、しょうねんの　こころを　しはいします。</p>
<p>　エアと　しょうねんは、おはかの　まえに　たどりつきました。</p>
<p>　エアは、むかし　おせわになった　ひとの　おはかを。<br />　しょうねんは、めいわく　ばかりかけた、おばあさんの　おはかを、<br />　それぞれ　おまいりました。</p>
<p>　そのときです。</p>
<p><br />　てをあわせ、めをとじていた　しょうねんの　めが、<br />　きゅうに　ひらかれました。</p>
<p>　エアも、それに　きがついて、そっと　しょうねんのほうを　みつめます。</p>
<p>　しょうねんは、なにを　おはなに　いのったのでしょう。</p>
<p>　ゆめが　かないますように。<br />　じぶんのみちが、まちがいで　ありませんように。</p>
<p>　その　ことばに、<br />　おばあさんは、なにかを　つたえたのでしょう。</p>
<p>　しょうねんが、おどろいた　かおをして、エアに　はなしかけました。</p>
<p>　「あなたの　ゆめを　かなえるのは、だれでもない　あなたなのですよ」</p>
<p>　どんなに　てを　あわせても。<br />　どんなに　つよく　ねがっても。</p>
<p>　いま、できることは　いま　できることだけ。</p>
<p>　なにかに　ねがいを　かけるということは、<br />　どこかに　ねがいが　かなわないと　おもっているから。</p>
<p>　そんな　ねがいは、きっと　かなうことは　ないでしょう。</p>
<p>　ゆうひが　しずむころ、かぜが　すずしさを　まといました。</p>
<p>　ボロボロのギターケースを　にぎりしめて、<br />　しょうねんは、また、きかんしゃを　めざすのでした。</p>
<p>&nbsp;</p>]]>
        
    </content>
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    <title>エア　と　エア</title>
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    <published>2008-08-07T12:41:28Z</published>
    <updated>2008-08-07T12:42:12Z</updated>

    <summary>　ひろい　そうげんに　ねそべって、　エアは　あおいそらを　みつめています。 　　...</summary>
    <author>
        <name>まみや</name>
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    </author>
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://iyashi-story.com/">
        <![CDATA[<p>　ひろい　そうげんに　ねそべって、<br />　エアは　あおいそらを　みつめています。</p>
<p>　　ねえ、そら　さん。<br />　　どうして、あなたは　あおいそらなの？</p>
<p>　そらは、ただ　あおいすがたで、エアを　みつめています。</p>
<p>　　ねえ、くも　さん。<br />　　どうして、あなたは　かたちを　かえるの？</p>
<p>　くもは、ただ　ながれるままに　ながれています。</p>
<p>　　ねえ、かぜ　さん。<br />　　あなたは、いったい　どこへ　むかうの？</p>
<p>　かぜは、ただ　エアを　めでるように、どこかへむかうのでした。</p>
<p>　あおい　そら。<br />　しろい　くも。<br />　すずしい　かぜ。</p>
<p>　おおきな　たいよう。<br />　ほほをなでる　くさ。<br />　すべてを　かなでる　おと。</p>
<p>　どれも、エアのことばに　こたえるものは　ありませんでした。</p>
<p>　　ねえ、みんな。<br />　　わたしは　いったい　どこへ　いけばいいの？<br />　　わたしは　いったい　だれなんだろう？</p>
<p>　　おしえて。<br />　　おしえてよ。</p>
<p>　エアの　なみだが、あさつゆのように　くさのうえに　おちました。</p>
<p>　そのときです。</p>
<p>　そこに、あおい　そらが　ありました。<br />　そこに、しろい　くもが　うかんでいました。<br />　そこに、すずしい　かぜが　ふきました。</p>
<p>　そこに、おおきな　たいようが　ありました。<br />　そこに、ほほをなでる　くさが　ありました。<br />　そこに、すべてを　かなでる　おとが　ありました。</p>
<p>　それは、ひとつの　メッセージを　エアに　とどけてくれたのです。</p>
<p>　「ただ、あるがままにだよ」</p>
<p>　あおいそらは、そらが　あおいから、あおいそらで。<br />　しろいくもは、かたちが　かわるから、かたちが　かわって。<br />　かぜは、どこかへ　むかうから、どこかへ　むかって。</p>
<p>　たいようも、くさも、おとも。<br />　すべてが　それだけ。</p>
<p>　エアは、ゆっくりと　たちあがりました。</p>
<p>　そこには、たちあがった　エアのすがたが　あるのでした。</p>]]>
        
    </content>
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    <title>エア　と　３０００のき</title>
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    <published>2008-07-30T15:00:00Z</published>
    <updated>2008-07-30T11:01:13Z</updated>

    <summary>　それまで、ざわついていた　むらのひとたちも、　その　しゅんかんだけは、いっせい...</summary>
    <author>
        <name>まみや</name>
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    </author>
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://iyashi-story.com/">
        <![CDATA[<p>　それまで、ざわついていた　むらのひとたちも、<br />　その　しゅんかんだけは、いっせいに　しずまりかえるのでした。</p>
<p>　ここは、むらの　そばにある　おおきな　もり。</p>
<p>　じめんを　ゆらすような　おとをたてて、<br />　おおきな　きが　また　ひとつ　きりたおされていきました。</p>
<p>　むらの　そんちょうが、<br />　その　きに　あかいペンキで　すうじを　かきこみます。</p>
<p>　２９９９。</p>
<p>　きこりが　きりたおした　きのかずです。<br />　そして、たくさんのひとに　あたたかな　ふゆと、<br />　すてきな　えがおを　とどけた　かずでした。</p>
<p>　いつものように、なにもいわずに　こやへと　もどる　きこり。<br />　<br />　その　うしろすがたを、<br />　エアは　とても　ほこらしげに　みつめているのでした。</p>
<p><br />　つぎのひ。</p>
<p>　エアは、あさはやくに　きこりのすむ　こやを　たずねました。</p>
<p>　きこりは、あさのコーヒーを　いれているところ。<br />　エアに　きづいた　きこりは、たなから　もうひとつ　カップをとりだします。</p>
<p>　しずかな　じかんが　ながれました。</p>
<p>　まどから　そそがれる　かぜだけが、いきもので　あるかのようです。</p>
<p>　はしらに　かけられた　とけいが、<br />　しごとの　じかんを　つげました。</p>
<p>　いすから　たちあがり、おのを　てにする　きこり。</p>
<p>　そとにでると、むらじゅうの　ひとたちが　あつまっているのでした。</p>
<p>　<br />　カーン、カーンというおとが、<br />　むらの　むこうがわまで　ひびいています。</p>
<p>　それは、おおきな　きの　さいごの　ことばのようでした。</p>
<p>　もりの　きぎのあいだに、<br />　あふれるように　むらのひとたちが　しずかに　たっています。</p>
<p>　てをあわせ、そらに　いのっている　ひともいました。</p>
<p>　カーン、カーン。</p>
<p>　とても　かたい　きのようです。</p>
<p>　カーン、カーン。</p>
<p>　その　おとと　ともに、きこりの　かおから　あせが　とびだします。</p>
<p>　そのようすを、<br />　ひとりの　しょうねんが　あこがれるように　みつめていました。</p>
<p>　ひが　くれてきました。</p>
<p>　こんなに　ながいあいだ　おのを　ふりつづけることは、<br />　きこりにとっても　はじめてのことでした。</p>
<p>　それでも、けっして　やすむことなく　きこりは　おのを　ふりつづけました。</p>
<p>　そのすがたは、たくさんのひとに　ゆうきを　あたえました。<br />　それが、むらのひとたちの　きぼうに　なりました。</p>
<p>　もう　きょうは　この　きが　たおれることはない。</p>
<p>　そう　だれもが　おもったときでした。</p>
<p>　おおきな。<br />　おおきな　おとが　もりじゅうに　ひびきました。</p>
<p>　ついに、<br />　きが　きりたおされたのです。</p>
<p>　そんちょうが、ゆっくりと　あかいペンキを　とりだしました。</p>
<p>　３０００。</p>
<p>　その　しゅんかん、むらのひとたちは　いっせいに　こえをあげました。<br />　かんどうの　こえを　あげたのです。</p>
<p>　それでも、<br />　きこりは　いつものように　こやへと　もどっていきました。</p>
<p>　ふと、きがつくと　きこりの　あしもとに、<br />　さっきの　しょうねんが　まとわりついていました。</p>
<p>　そして、なにかを　きこりにむかって　たずねます。</p>
<p>　それまで、むひょうじょうだった　きこりも、<br />　そのことばに　にっこりと　ほほえみました。</p>
<p>　「おおきなことを　するんじゃないよ。<br />　　ちいさなことの　つみかさねが、やがて、おおきなことになるんだ」</p>
<p>　きこりは、てにもった　おのを　しょうねんに　てわたしました。</p>
<p>　１。</p>
<p>　そこには、きえそうな　あかいペンキで、そう　かかれていました。</p>
<p>　いちばんぼしが　ともりました。</p>
<p>　いつものように、なにもいわずに　こやへと　もどる　きこり。<br />　<br />　その　うしろすがたを、<br />　エアは　とても　ほこらしげに　みつめているのでした。</p>]]>
        
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    <title>エア　と　はなのたね</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://iyashi-story.com/2008/07/post-49.html" />
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    <published>2008-07-23T15:00:00Z</published>
    <updated>2008-07-24T12:53:18Z</updated>

    <summary>　いま、ひとりの　おんなのひとが、ながい　あいだ　くらしていた　いえを　でました...</summary>
    <author>
        <name>まみや</name>
        <uri>http://sanjinodouwa.blog114.fc2.com/</uri>
    </author>
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://iyashi-story.com/">
        <![CDATA[<p>　いま、ひとりの　おんなのひとが、ながい　あいだ　くらしていた　いえを　でました。<br />　エアは、そっと　どうかを　さしだしますが、<br />　そんなものは、おんなのひとにとって　なんの　なぐさめにも　ならないのでした。</p>
<p>　つぎのひのこと。</p>
<p>　エアは、どうしても　あの　おんなのひとが　きになって、<br />　まちじゅうを　さがしまわりました。</p>
<p>　おんなのひとは、まちはずれの　のはらで　よこになっていました。<br />　わずかに　のこった　どうかと、さめた　スープが　わきにおかれています。</p>
<p>　つめたい　かぜが　ふきました。</p>
<p>　エアに　きがついた　おんなのひとは、<br />　かなしく、そして　やさしいめをして、ふっと　ほほえみました。</p>
<p>　そっと、ゆびさした　そのさきには、いちりんの　はなが　さいていました。<br />　まっしろい　はなでした。</p>
<p>　おんなのひとは、はなやさんを　していました。<br />　けれど、おもうように　はなはうれずに、<br />　いえを　でていかなくは　ならなくなったのです。</p>
<p>　エアは、いそいで　まちまで　もどると、おおきな　ふくろ　いっぱいに、<br />　はなの　たねを　かって　もどってきました。</p>
<p>　その　たねを　うけとった　おんなのひと。<br />　ひとつぶ　ひとつぶ、なにもない　のはらに、たねを　うえました。</p>
<p>　「かなしいことも　あるよ。でも、すべてのことに　いみは　あるんだ」</p>
<p>　また、つめたい　かぜが　ふきました。<br />　けれど、それは　さっきまでの　かぜとは　ちがっていました。</p>
<p>　いつか、この　のはらは、かぞえきれないほどの　はなが　さきみだれることでしょう。</p>]]>
        
    </content>
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    <title>エア　と　あらしのとう</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://iyashi-story.com/2008/07/post-48.html" />
    <id>tag:iyashi-story.com,2008://1.58</id>

    <published>2008-07-16T15:00:00Z</published>
    <updated>2008-07-17T07:44:42Z</updated>

    <summary>　まっくろになった　くもりぞらをみあげて、　いそいで　かいものを　おわらせるよう...</summary>
    <author>
        <name>まみや</name>
        <uri>http://sanjinodouwa.blog114.fc2.com/</uri>
    </author>
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://iyashi-story.com/">
        <![CDATA[<p>　まっくろになった　くもりぞらをみあげて、<br />　いそいで　かいものを　おわらせるように、<br />　エアは　しょうてんがいを　はしりだしました。</p>
<p>　ここは、たかい　たかい　とうのある　まち。<br />　きのうまで、はれたひが　つづいたのに、<br />　きょうは　たいようも　みえません。</p>
<p>　あしたは、きっと　あめがふるんだろうな。</p>
<p>　てのひらを　そらにむけて、<br />　エアは　しずかに　おもうのでした。</p>
<p>　つぎのひ。</p>
<p>　エアは、いえのなかで　のんびりと<br />　ほんをよんでいました。</p>
<p>　そとは　おおあらし。</p>
<p>　だれひとり、そとにでているひとは　いません。</p>
<p>　どのおみせも、いりぐちをしめて、<br />　あめが　はいってこないように　しています。</p>
<p>　ぱたん、と　ほんを　とじる、エア。<br />　みあげた　まどのさきに、おおきな　とうが　みえました。</p>
<p>　ほのおの　きえた　とう。<br />　<br />　１ねんまえまでは、おおきな　ほのおが　ともっていたそうです。</p>
<p>　それが、おおきな　じしんが　おきて、<br />　かたむいてしまった　とうに、<br />　ふたたび　ひが　ともることは　ありませんでした。</p>
<p>　だれかの　こえがして、<br />　エアは　しせんを　となりのいえに　むけました。</p>
<p>　そこには、ちいさな　おとこのこと、<br />　おおごえを　あげている　おんなのひとが　みえました。</p>
<p>　あらしのなか　はしりだす、おとこのこ。<br />　それを　ひっしで　おいかける、おんなのひと。</p>
<p>　それに　きづいたのか、<br />　そこかしこの　いえから、たくさんのひとが　とびだしてきます。</p>
<p>　エアも、たちあがると、<br />　かさを　てにして　そとにとびだすのでした。</p>
<p>　たくさんのひとが　あつまっています。<br />　そこは、あの　とうの　いりぐちでした。</p>
<p>　だれも　はいれないように　していた　いりぐちは、<br />　かぎと　とびらが　こわされています。</p>
<p>　あの　おとこのこの　しわざでした。</p>
<p>　うえのほうから　こえがします。<br />　おとこのこの　こえでした。</p>
<p>　こえは、どんどん　うえに　あがっていきます。</p>
<p>　まちのひとたちは、<br />　ふあんそうに　とうを　みあげるばかり。</p>
<p>　まちの　きまりで、<br />　だれも　とうに　のぼることは　ゆるされないのです。</p>
<p>　エアの　うしろのほうで、<br />　こえが　しました。</p>
<p>　そこには、あの　おおごえを　あげていた　おんなのひとが、<br />　おとこのひとに　うでを　おさえられているのが　みえました。</p>
<p>　おとこのこを、とめにいこうと　しているようです。</p>
<p>　まちのひとが、<br />　しずかに　つぶやきました。</p>
<p>　あの　おとこのこは、<br />　じしんのせいで　りょうしんを　なくしたこと。</p>
<p>　じぶんだけ　いきているわけにはいかない、と<br />　なんども　じぶんを　きずつけたこと。</p>
<p>　そして、</p>
<p>　あの　おんなのひとの　ことばに、<br />　いきることを　きめたこと。</p>
<p>　せかいじゅうから、<br />　じしんのことを　きいた　ひとびとが、<br />　まちのひとたちを　たすけてくれたこと。</p>
<p>　エアは、はしりだしました。<br />　とうに　むかって、はしりだしました。</p>
<p>　そのときです。</p>
<p>　だれかの　さけびごえが　きこえました。</p>
<p>　とうを　みあげると、<br />　そこには　はしごに　しがみついている、<br />　おとこのこの　すがたが　みえました。</p>
<p>　とうの　いちばんうえ。<br />　そこに、ひを　ともす　はしらが　あります。</p>
<p>　そこにいくには、<br />　かいだんではなく、はしごを　のぼらないと　いけません。</p>
<p>　あらしが、ようしゃなく<br />　おとこのこを　おそいます。</p>
<p>　それでも、ひとつ　ひとつ、<br />　はしごを　のぼっていく　おとこのこ。</p>
<p>　まちのひとが　しんぱいするなか、<br />　ぶじ、はしらまで　たどりつきます。</p>
<p>　それは　はじめ、ちいさな　ほのお　でした。<br />　そして、ゆっくりと　おおきくなっていきます。</p>
<p>　あっというまに、<br />　ほのおは、おおきく　おおきく　すがたを　かえていきます。</p>
<p>　おとこのこが、したを　みおろしています。</p>
<p>　どうして、とうに　ほのおなんか。</p>
<p>　おんなのひとが　なきながら、さけびました。</p>
<p>　「せかいじゅうに、ありがとうを　つたえたかった。<br />　　ぼくには　これしか　できなかったんだ！」</p>
<p>　おとこのこの　こえが、<br />　まちじゅうに　ひびきました。</p>
<p>　エアは、しずかに　ほほえみます。</p>
<p>　ほのおに　てらされるように、<br />　そらが　その　いろを　かえました。</p>
<p>　すこしずつ、はれわたる、そら。</p>
<p>　きっと、この　ほのおは、<br />　とおくのまちからも　みえることでしょう。</p>
<p>　とうを　おりてきた　おとこのこを、<br />　おんなのひとは　やさしく　だきしめるのでした。</p>]]>
        
    </content>
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    <title>エア　と　おうさまの　かきごおり</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://iyashi-story.com/2008/07/post-47.html" />
    <id>tag:iyashi-story.com,2008://1.57</id>

    <published>2008-07-09T15:00:00Z</published>
    <updated>2008-07-09T11:40:41Z</updated>

    <summary>　せかいじゅうの　おうさまたちが　ちいさく　てをふって　あいさつするのを、　エア...</summary>
    <author>
        <name>まみや</name>
        <uri>http://sanjinodouwa.blog114.fc2.com/</uri>
    </author>
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://iyashi-story.com/">
        <![CDATA[<p>　せかいじゅうの　おうさまたちが<br />　ちいさく　てをふって　あいさつするのを、<br />　エアは　うれしそうに　みつめているのでした。</p>
<p>　ここは、せかいの　まんなかの　おおきな　まち。</p>
<p>　おうさまたちの　かいぎが、<br />　きょうから　はじまったのです。</p>
<p>　たくさんの　もんだいを　かかえた　せかい。<br />　それは　いまに　はじまった　ことでは　ありません。</p>
<p>　それでも、</p>
<p>　きのうより、きょうを。<br />　きょうより、あしたを　すこしでも　すてきにしたい。</p>
<p>　そのおもいは、<br />　どの　おうさまも　いっしょのよう。</p>
<p>　あついひざしが、<br />　まちじゅうを　つつみこんでいるのでした。</p>
<p><br />　まちのなかは、<br />　せかいで　いちばんの　ひとごみでした。</p>
<p>　エアは、このまちの　おみやげひんを　ながめながら、<br />　おしろへと　むかいます。</p>
<p>　おしろの　まえは、<br />　たくさんの　ひとだかり。</p>
<p>　へいしたちが、<br />　ひっしに　むらびとに　なにかを　いっています。</p>
<p>　ふと、わきのくさむらを　みつめると、<br />　だれかが　すわりこんでいるのが　みえました。</p>
<p>　エアは、そっと　そのひとに　ちかづくと、<br />　ポン、と　かたを　たたきます。</p>
<p>　おどろいて　とびあがる、そのひと。<br />　まだ　わかい　コックさんでした。</p>
<p>　　おうさまたちに　デザートを　だせって。<br />　　もう、なにを　だしたらいいのか　わからなくて。</p>
<p>　コックさんのことばに、<br />　エアも　いっしょになって　まゆを　ひそめます。</p>
<p>　もうすぐ　ひがくれて　しまいます。</p>
<p>　タイムリミットは、どんどん　ちかづいているのでした。</p>
<p><br />　そのひの　よるのこと。</p>
<p>　おうさまたちは、<br />　はこばれた　ゆうしょくに　てもつけずに、<br />　はなしあいを　つづけました。</p>
<p>　　こんな　りょうりは、わたしの　くに　にもある。<br />　　いまは　しょくじより、はなしあいが　さきだ。</p>
<p>　どの　おうさまたちも、<br />　めをうばわれるような　ごちそうに　みむきもしません。</p>
<p>　そのようすを　ちゅうぼうから　のぞいていた、コックたち。<br />　がっくりと　かたを　おとします。</p>
<p>　とつぜん、おおきな　こえがきこえました。</p>
<p>　ある　くにの　おうさまが、どなりごえを　あげています。<br />　どうやら、ほかの　くにの　おうさまの　いったことが、<br />　かんに　さわったのでしょう。</p>
<p>　それを　くちびに、<br />　どの　おうさまも、おおごえで　どなりはじめました。</p>
<p>　おなかがすいて、<br />　イライラしていたのかもしれません。</p>
<p>　ごちそうが　ひっくりかえされました。<br />　そこかしこで、しょっきの　われる　おとがします。</p>
<p>　おしろの　へいしたちも、<br />　とめられないほどの　さわぎになりました。</p>
<p>　そのときです。</p>
<p>　だれかが、すずしいかおで<br />　テーブルまで　やってきました。</p>
<p>　あの　わかいコックでした。<br />　<br />　その　うしろから、エアも　ついてきます。<br />　コックのふくをきて、ほんとうに　りょうりにん　みたいです。</p>
<p>　わかいコックは、<br />　おうさまたちのせきに、<br />　つぎつぎと　デザートを　おいていきます。</p>
<p>　それは、どこにでもあるような　かきごおり。</p>
<p>　とても、おうさまに　おだしするような　ものではありません。</p>
<p>　おこった　ある　おうさまが、<br />　わかいコックのかたを　つかみます。</p>
<p>　　これは、ある　とくべつな　こおりを　つかった<br />　　かきごおりです。</p>
<p>　コックのことばに、<br />　かいじょうは　しずまりかえりました。</p>
<p>　　この　こおりは、わたしの　ふるさとに　ある　こおり。<br />　　...もうすぐ　なくなってしまう　こおりです。</p>
<p>　コックのふるさとは、<br />　きたにある　ゆきぐにでした。</p>
<p>　せかいじゅうが　あたためられたせいで、<br />　その　ゆきぐににある　こおりが　とけだしたのです。</p>
<p>　　こどものころ、ははおやが<br />　　この　かきごおりを　つくってくれました。</p>
<p>　コックは、テーブルのうえの　かきごおりを　てにとりました。</p>
<p>　　その　あじが　わすれられなくて、<br />　　わたしは　りょうりにんに　なろうと　きめたのです。</p>
<p>　エアが　しずかに　ほほえみます。</p>
<p>　　わたしの　ほかにも、<br />　　そんな　ゆめを　いだいた　なかまは　おおぜい　います。</p>
<p>　コックは　しずかに　うつむきました。</p>
<p>　　でも、その　ゆめを、<br />　　いまの　こどもたちが　みることは　ありません。</p>
<p>　おうさまたちも　うつむいて　しまいました。</p>
<p>　　どうか、ゆめを　とぎれさせないで　ください。<br />　　たいせつな　この　かきごおりを　なくさないでください。</p>
<p>　コックは、それだけいうと、<br />　しずかに　ちゅうぼうへと　もどっていきました。</p>
<p>　ひとりの　おうさまが　かきごおりを　すくって　たべました。<br />　ほかの　おうさまも　かきごおりを　すくって　たべました。</p>
<p>　それは、なつかしい　あじ。<br />　わすれていた　たいせつな　あじでした。</p>
<p>　おうさまたちは、<br />　かきごおりを　たべながら　せきにつきます。</p>
<p>　そして、コックたちに　おわびをいって、<br />　もういちど　りょうりを　つくってくれるように　おねがいしました。<br />　<br />　「せかいを　よくしたいのは、みんな　いっしょなんだよ」</p>
<p>　はなしあいは　つづくでしょう。<br />　たのしい　ゆうしょくの　あとに。</p>
<p>　つきあかりが、かいじょうを　てらしました。</p>
<p>　どこからか、ちきゅうの　やさしいこえが、<br />　きこえてくるような　きがするのでした。<br /></p>]]>
        
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>エア　と　はいいろのアジサイ</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://iyashi-story.com/2008/07/post-46.html" />
    <id>tag:iyashi-story.com,2008://1.56</id>

    <published>2008-07-02T15:00:00Z</published>
    <updated>2008-07-02T18:57:43Z</updated>

    <summary>　かさにあたる　あめのおとが、　ちいさな　おはなばたけで　ひとつ　ふえました。 ...</summary>
    <author>
        <name>まみや</name>
        <uri>http://sanjinodouwa.blog114.fc2.com/</uri>
    </author>
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://iyashi-story.com/">
        <![CDATA[<p>　かさにあたる　あめのおとが、<br />　ちいさな　おはなばたけで　ひとつ　ふえました。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　しずかに　ほほえむ　エア。<br />　てには、くろい　かさを　もっています。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　それを　うけとった　おじいさん。<br />　とても　やさしいめをした　おじいさんでした。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　エアは、おじいさんの　あしもとに　さいた　はなを、<br />　ひとさしゆびで　なでました。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　おじいさんが、しずかに　はなしはじめます。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　それは、アジサイとネコの　おはなしでした。</p>
<p><br />&nbsp;</p>
<p>　ある　あめのふるひのこと。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　おじいさんは、ひとりで　おさけを　のんでいました。<br />　まだ、ひるまだというのに　まっかな　かおをしています。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　ふらふらに　なりながら、<br />　まちはずれの　いえに　かえる　おじいさん。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　かさも　ささずに、<br />　ずぶぬれになって　あるいていきます。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　...おばあさんが、なくなったのでした。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　その　かなしみから、<br />　あんなに　えがおだった　おじいさんは、<br />　おさけに　おぼれるようになって　しまったのです。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　ふと、あしもとに　めをやると、<br />　ちいさな　こねこが　みちばたで　たおれています。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　おじいさんは、はなで　わらうと、<br />　こねこを　むしするように、みちのむこうへと　いってしまいます。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　ためいきを、ひとつ。<br />　おもいだすのは、おばあさんの　ことば。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　　わたしは、ネコが　だいすきなのよ。<br />　　でも、アレルギーでね。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　ふりかえる、おじいさん。<br />　こねこと　おじいさんの　せいかつの　はじまりでした。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p><br />　こねこは、おじいさんの　てあてのおかげで、<br />　すぐに　げんきになりました。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　はれたひには、そとを　かけまわります。<br />　<br /></p>
<p>　はいいろの　こねこ。<br />　めずらしい　こねこでした。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　おじいさんは、こねこと　いっしょに　<br />　さんぽにいくのが　だいすきになりました。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　もう、さみしくなんか　ありません。<br />　おさけに　おぼれることも　ありません。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　ほんとうに、たのしい　まいにちが、つづくと　おもっていました。</p>
<p><br />&nbsp;</p>
<p>　あるひのこと。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　いつものように、さんぽに　でかけようと、<br />　こねこの　なまえを　よぶ、おじいさん。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　しかし、こねこは、まどのそとを　みつめては、<br />　さみしそうに　ちいさく　ないています。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　おじいさんは、<br />　こねこを　だきあげました。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　そして、そとへと　でかけようとします。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　とつぜん　あばれだす、こねこ。<br />　おじいさんを　ひっかいて、いえの　おくへと<br />　にげていって　しまいました。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　そとは、あめ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　こねこは、あめが　だいきらいでした。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　おかあさんに　すてられて。<br />　あんなに　くるしい　おもいをした、あめ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　その　きおくが、いつまでも　こねこに　のこっているのです。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　おじいさんは、<br />　こねこが　ふびんで　なりません。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　どうにか、あめのひを　すきになって　もらえないだろうか？</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　そこで、おじいさんは　いいことを　おもいつきました。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　まどからみえる　けしきを、<br />　アジサイのはなで　いっぱいにしよう。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　さっそく、おじいさんは、<br />　アジサイを　はなやさんから　かってきます。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　そして、まいにち　せわをして、<br />　こねこが　いえから　でてくるのを　まちつづけました。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　あおい　アジサイが　さきました。<br />　こねこは　まだ　でてきません。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　むらさきの　アジサイが　さきました。<br />　こねこは　やっぱり　でてきません。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　ももいろの　アジサイが　さいたころ。<br />　おじいさんは　つかれて、たおれてしまいました。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　こねこは　いそいで、そとに　かけだします。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　げんきになった　おじいさんと、<br />　あめが　すきになった　こねこ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　しあわせな　じかんは、<br />　こねこが　てんごくにいくまで　つづくのでした。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p><br />　かさにあたる　あめのおとが、<br />　ちいさな　おはなばたけに　たくさん　あつまりました。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　いまでは、<br />　せかいじゅうから　おじいさんの　アジサイをみに、<br />　たくさんのひとが　やってくるのでした。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　こねこを　なくした　おじいさん。<br />　それでも、いまは　さみしく　ありません。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　「あめも　わるくないわ。きれいな　アジサイが　みられるんだから」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　エアが　しずかに　つぶやきました。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　あおい　アジサイ。<br />　むらさきの　アジサイ。<br />　ももいろの　アジサイ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　そして、</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　はいいろの　アジサイが、<br />　あめのなか　せいいっぱい　かがやいているのでした。</p>
<p>&nbsp;</p>]]>
        
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>エア　と　きんいろのタマゴ</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://iyashi-story.com/2008/06/post-45.html" />
    <id>tag:iyashi-story.com,2008://1.55</id>

    <published>2008-06-25T15:00:00Z</published>
    <updated>2008-06-25T12:06:49Z</updated>

    <summary>　あめが　あがったあとの　さわやかな　かぜに、　エアは　その　ながいかみを　なび...</summary>
    <author>
        <name>まみや</name>
        <uri>http://sanjinodouwa.blog114.fc2.com/</uri>
    </author>
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://iyashi-story.com/">
        <![CDATA[<p>　あめが　あがったあとの　さわやかな　かぜに、<br />　エアは　その　ながいかみを　なびかせました。</p>
<p><br />　ここは、そうげんが　ひろがる、ぼくじょう。</p>
<p><br />　とおくの　きゅうしゃから、<br />　げんきな　おんなのこの　こえが　きこえてきます。</p>
<p><br />　エアは、りょうて　いっぱいに　かぜを　かんじて、<br />　きゅうしゃに　むかって　はしりだすのでした。</p>
<p><br />　きゅうしゃは、とても　ふるい　たてものでした。<br />　なかでは、たくさんの　ニワトリが<br />　エサを　ついばんでいます。</p>
<p><br />　サッと、エサを　ニワトリに　すくってあげる、エア。<br />　さっきの　おんなのこが、えがおで　こえを　かけてくれました。</p>
<p><br />　この　ぼくじょうの　むすめさん。<br />　まいあさ、はやおきをして　ニワトリの　たまごを　とるのが、<br />　おしごとでした。</p>
<p><br />　おおきな　かごを　せおった　おんなのこ。<br />　これから、いちばへと　タマゴを　うりにいくようです。</p>
<p><br />　エアは、おんなのこの　おてつだいを　することに　きめたのでした。</p>
<p><br />　そのひの　よるのこと。</p>
<p><br />　エアは、まどから　よぞらを　みあげていました。</p>
<p><br />　ほしが　ふしぎに　かがやいて、<br />　おんなのこの　かおのようが　みえました。</p>
<p><br />　さみしそうな、おんなのこの　かお。</p>
<p><br />　いちばで、タマゴは　１つも　うれなかったのです。</p>
<p><br />　ニワトリを　そだてるための　エサが　たかくなったせいで、<br />　タマゴの　ねだんも　あげなくては　ならなくなったのでした。</p>
<p><br />　なにか。<br />　なにか、できないだろうか。</p>
<p><br />　エアは、しばらく　よぞらを　みつめているのでした。</p>
<p><br />　つぎのひの　あさ。</p>
<p><br />　おんなのこは、ねむいめを　こすって、<br />　ニワトリに　エサを　あげに、きゅうしゃへと　やってきました。</p>
<p><br />　とびらを　あけようと、<br />　とってに　てをかけると、かぎが　あいています。</p>
<p><br />　ふしぎにおもいながら、きゅうしゃに　はいると、<br />　おんなのこは、おもわず　こえを　あげました。</p>
<p><br />　ニワトリが　１わも　いなかったのです。</p>
<p><br />　いそいで、おとうさんを　さがす、おんなのこ。</p>
<p><br />　すると、そうげんの　ほうに、だれかの　すがたが　みえました。</p>
<p><br />　エアです。</p>
<p><br />　みると、エアの　まわりで　たくさんの　ニワトリが、<br />　うれしそうに　とびまわっていました。</p>
<p><br />　おんなのこが、おこったかおで　ちかづくと、<br />　エアは　わらいながら　あやまりました。</p>
<p><br />　そして、てにもった<br />　とても　きれいな　みずが　はいった　バケツを、<br />　おんなのこに　てわたしました。</p>
<p><br />　それは、とおくの　かわの　みず。<br />　すいどうの　みずより、はるかに　きれいな　みずです。</p>
<p><br />　ニワトリたちの　ために。<br />　タマゴが　たかくても　かってもらえるように。</p>
<p><br />　エアが　できることを、せいいっぱい　やったのです。</p>
<p><br />　ニワトリに　しぜんの　かぜを　かんじてもらうのも。<br />　おいしい　みずを　おなかいっぱい、のんでもらうのも。</p>
<p><br />　そして、</p>
<p><br />　いっしょに　あそんで、あいじょうを　そそぐことも。</p>
<p><br />　みんな、みんな、<br />　おんなのこの　えがおのために、エアが　だした　こたえでした。</p>
<p><br />　おんなのこのめから、なみだが　こぼれおちました。</p>
<p><br />　それを　なぐさめるように、<br />　ニワトリたちが　あつまってきます。</p>
<p><br />　なにかが、くさむらに　ころがりました。</p>
<p><br />　それは、みたこともない　きんいろの　タマゴ。</p>
<p><br />　ゆうがたには、<br />　この　ぼくじょうに、<br />　しあわせを　はこぶ　タマゴです。</p>
<p><br />　「まけないで。あなたの　きもちは、きっと　つたわるから」</p>
<p><br />　かぜが　ふきました。</p>
<p><br />　とおくのほうから、<br />　おとうさんの　よぶこえが　きこえてくるのでした。<br />　</p>]]>
        
    </content>
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    <title>エア　と　ドラゴンのほのお</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://iyashi-story.com/2008/06/post-44.html" />
    <id>tag:iyashi-story.com,2008://1.54</id>

    <published>2008-06-18T15:00:00Z</published>
    <updated>2008-06-19T07:31:05Z</updated>

    <summary>　とおくの　まちが、　また、ドラゴンのひに　やかれてしまったことを、　エアは、は...</summary>
    <author>
        <name>まみや</name>
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    </author>
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://iyashi-story.com/">
        <![CDATA[<p>　とおくの　まちが、<br />　また、ドラゴンのひに　やかれてしまったことを、<br />　エアは、はいたつされた　しんぶんで　しりました。</p>
<p><br />　ここは、うみぞいの　ちいさな　まち。</p>
<p><br />　こころが　いたみます。<br />　どうして、ドラゴンは　こんなに　ひどいことを、<br />　するのだろう。</p>
<p><br />　エアのほほを、なみだが　つたうのでした。</p>
<p><br />　つぎのひ。</p>
<p>　<br />　エアは、まちかどに　たっていました。</p>
<p><br />　とおくのまちのひとへ、<br />　なにか　おくりものを　しようと<br />　かんがえたのです。</p>
<p><br />　けれど、エア　ひとりで　できることは<br />　かぎられています。</p>
<p><br />　そこで、まちのひとたちに、<br />　きょうりょくを　たのむことに　したのでした。</p>
<p><br />　たくさんの　ひとたちが、<br />　まちの　おおどおりを　あるいていきます。</p>
<p><br />　しかし、エアのことばに<br />　みみを　かたむけてくれるひとは<br />　だれひとり　いませんでした。</p>
<p><br />　そんなこと、わたしたちには　かんけいない。<br />　このまちが、ドラゴンに　おそわれるわけないよ。</p>
<p><br />　だれもが、じぶんのことだけしか　かんがえていません。<br />　そして、この　へいわは　えいえんのものだと<br />　おもっているのです。</p>
<p><br />　エアは、だんだん　かなしくなってきました。</p>
<p><br />　ひとの　つめたさ。<br />　ききかんの　なさ。</p>
<p><br />　そして、</p>
<p><br />　じぶんの　むりょくさに。</p>
<p><br />　オレンジいろに　そまる　そらが、<br />　エアの　せなかを　やさしく　つつみこむのでした。</p>
<p><br />　そのひのよる。</p>
<p><br />　それは、おこりました。</p>
<p><br />　にげまどう、まちの　ひとたち。<br />　つぎつぎに、やかれていく　まちなみ。</p>
<p><br />　ドラゴンが　やってきたのです。</p>
<p><br />　だれひとり、ドラゴンがくるなんて<br />　おもってもいません。</p>
<p><br />　どこへ　にげたらいいのかも　わからずに、<br />　たくさんの　ひとが　パニックに　なっています。</p>
<p><br />　まちを　やきはらった　ドラゴン。</p>
<p><br />　こんどは、にんげんを　にらみつけます。</p>
<p><br />　ひとりの　おとこのこが、<br />　つまずいて　ころびました。</p>
<p><br />　ドラゴンの　あしもと。</p>
<p><br />　ははおやの　さけびごえと、<br />　ドラゴンの　うなりごえが　ひびきます。</p>
<p><br />　ゆっくりと、ふりおろされる、<br />　ドラゴンの　おおきな　あし。</p>
<p><br />　じめんが　おおきく　ゆれました。</p>
<p><br />　あしを　あげた　ドラゴン。</p>
<p><br />　しかし、そこには　おとこのこの　すがたはありません。</p>
<p><br />　エアが、かんいっぱつ　おとこのこを　すくいだしたのです。</p>
<p><br />　ドラゴンの　するどい　まなざしが、<br />　エアを　にらみつけます。</p>
<p><br />　その　くちから　ふきだす　ほのお。</p>
<p><br />　もう、たすからない！</p>
<p><br />　そう、おもったときでした。</p>
<p><br />　きゅうに、あたりが　ひかりに　つつまれたかと　おもうと、<br />　ドラゴンが　くるしそうに　あばれだします。</p>
<p><br />　ひかり。</p>
<p><br />　まばゆい　ひかりが、ドラゴンを　つつみこみました。</p>
<p><br />　うなりごえを　あげて、にげだす　ドラゴン。<br />　まちは　すくわれました。</p>
<p><br />　なにが　おこったのか。<br />　エアにも　わかりませんでした。</p>
<p><br />　ひかりが　よぞらへと　もどっていきます。</p>
<p><br />　......。</p>
<p><br />　エアのみみもとに　こえが　きこえました。</p>
<p><br />　それは、ほしの　こえ。</p>
<p><br />　とおくのまちで　いのちを　おとした　ひとたちが、<br />　ほしになったのです。</p>
<p><br />　「ドラゴンは　いつくるか　わからないんだから」</p>
<p><br />　まちに　しずけさが　もどりました。<br />　まちの　ひとたちも、<br />　エアの　ことばに　なにかを　かんじたようです。</p>
<p><br />　こんど　ドラゴンが　やってくるのは、<br />　あなたの　まちかもしれません。</p>
<p>&nbsp;</p>]]>
        
    </content>
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    <title>エア　と　まっかになったロボット</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://iyashi-story.com/2008/06/post-43.html" />
    <id>tag:iyashi-story.com,2008://1.53</id>

    <published>2008-06-11T15:00:00Z</published>
    <updated>2008-06-10T11:41:12Z</updated>

    <summary>　そこかしこから　きこえてくる、　きかいの　おと。 　はりのやまのように　ならん...</summary>
    <author>
        <name>まみや</name>
        <uri>http://sanjinodouwa.blog114.fc2.com/</uri>
    </author>
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://iyashi-story.com/">
        <![CDATA[<p>　そこかしこから　きこえてくる、<br />　きかいの　おと。</p>
<p><br />　はりのやまのように　ならんだ、<br />　えんとつからは、<br />　たくさんの　けむりが　そらへと　むかいます。</p>
<p><br />　ここは、おおきな　きかいじかけの　まち。</p>
<p><br />　ロボットと　にんげんが<br />　なかよく　くらす　すがたに、<br />　エアは、きもちの　たかぶりを　おさえられないのでした。</p>
<p><br />　みちを　あるいていると、<br />　おいしそうな　においが　してきました。</p>
<p><br />　その　においに　さそわれるように、<br />　エアは　ちいさな　レストランに　はいっていきます。</p>
<p><br />　ガシャン<br />　ガシャン<br />　ガガ...ガ...チン！</p>
<p><br />　ロボットの　コックさんが、<br />　ごちそうを　つくっています。</p>
<p><br />　エアも、さっそく<br />　ウェイトレスの　ロボットに、<br />　ハンバーグを　ちゅうもんしました。</p>
<p><br />　あたりを　みわたします。</p>
<p><br />　たくさんの　ロボットが、<br />　レストランじゅうを　かけまわっています。</p>
<p><br />　ちゅうぼうの　おくのほうで、<br />　おとこのひとが、ロボットの　てんけんをしています。</p>
<p><br />　このレストランでも、<br />　みんな　なかよく　しごとをしているんだ。</p>
<p><br />　エアの　きもちが、とても　あたたかくなったのは、<br />　はこばれてきた、ハンバーグだけの　せいでは　<br />　ありませんでした。</p>
<p><br />　おみせを　でた、エア。</p>
<p><br />　あしを　けがした　ひとを、<br />　たすけるロボットに　あいさつをします。</p>
<p><br />　むこうからは、ロボットが　えんそうする<br />　ピアノの　おと　と、<br />　すてきな　おんなのひとの　うたごえが<br />　きこえてきました。</p>
<p><br />　ほんとうに。</p>
<p><br />　ほんとうに、すてきな　まちだわ。</p>
<p><br />　エアは、こころから　よろこびを　かんじました。</p>
<p><br />　そのときです。</p>
<p><br />　とつぜん、ものすごい　おとがして、<br />　おおきな　くるまが、どうろを　こえて、<br />　ほどうに　はいってくるでは　ありませんか。</p>
<p><br />　にげだす、たくさんの　ひとたち。</p>
<p><br />　いくつかの　ロボットは、<br />　くるまを　とめようと、ひっしに　なります。</p>
<p><br />　その　ロボットたちに、<br />　とりおさえられる　おおきな　くるま。</p>
<p><br />　そこから　でてきた　ロボットは、<br />　あたりかまわず、わめき　ちらします。</p>
<p><br />　モウ　イヤダ<br />　モウ　イヤダ<br />　コンナ　シゴト　シタクナイ<br />　タスケテ　タスケテヨ...</p>
<p><br />　まっかになった　ロボットの　かお。<br />　どうやら、オーバーヒート　しているようです。</p>
<p><br />　みんな　どうしていいのか　わからず、<br />　ただ　だまって　いました。</p>
<p><br />　すっと　ロボットのまえに、<br />　つめたいタオルが　さしだされました。</p>
<p><br />　しずかに　ほほえむ、エアの　すがたが　ありました。</p>
<p><br />　ロボットに、タオルを　てわたすと、<br />　キッと　てつで　できた、<br />　はしらの　かげを　にらみます。</p>
<p><br />　そこにいた　にんげん。</p>
<p><br />　それは、このロボットの　メカニックでした。</p>
<p><br />　このまちが　えらんだ、<br />　ロボットを　かんりする　ひとです。</p>
<p><br />　ロボットが　いかりくるって、<br />　にんげんを　おそったのでしょうか？</p>
<p><br />　ロボットの　システムが　おかしくて、<br />　オーバーヒート　したのでしょうか？</p>
<p><br />　それは、ちがいます。</p>
<p><br />　やりたくないことを　やらせて。<br />　それを　いやだとも　いわせない。</p>
<p><br />　そんな　メカニックに　もんだいが　あるのです。</p>
<p><br />　ロボットの　めから、なみだが　あふれました。</p>
<p><br />　まちに、また　へいわが　もどりました。<br />　だれも　けがをしたひとは　いません。</p>
<p><br />　「ほんとうに　わるいのは、べつに　あるのに」</p>
<p><br />　あぶらくさい　かぜが、<br />　まちのなかを　つつみこんでいきます。</p>
<p><br />　あの　レストランで、コーヒーを　のもう。</p>
<p><br />　エアは、しずかに　あるきだすのでした。　</p>
<p>　</p>]]>
        
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>エアと　　まっくろい　くものまち</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://iyashi-story.com/2008/06/post-42.html" />
    <id>tag:iyashi-story.com,2008://1.52</id>

    <published>2008-06-04T15:00:00Z</published>
    <updated>2008-06-04T14:49:41Z</updated>

    <summary>　めのまえで　うつむく　しょうじょに、　なんと　いってあげれば　いいのでしょうか...</summary>
    <author>
        <name>まみや</name>
        <uri>http://sanjinodouwa.blog114.fc2.com/</uri>
    </author>
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://iyashi-story.com/">
        <![CDATA[<p>　めのまえで　うつむく　しょうじょに、<br />　なんと　いってあげれば　いいのでしょうか。</p>
<p><br />　まっくろい　くもに　おおわれた　まち。<br />　たいようの　ひかりも　ささない　まち。</p>
<p><br />　そんな　かなしいかおをした　まちに、<br />　エアは　たどりつきました。</p>
<p><br />　どこからか、さけびごえが　きこえます。<br />　むこうから、なきごえが　ひびいてきます。</p>
<p><br />　みみを　ふさぎたくなるような　まいにちを、<br />　この　まちの　ひとびとは　すごしているのでした。</p>
<p><br />　つぎのひのこと。</p>
<p><br />　エアは、ひとりの　おとこのこに　であいました。</p>
<p><br />　ほんをもって、あたりを　きょろきょろ　している、<br />　おとこのこ。</p>
<p><br />　なにかを　さがしているようです。</p>
<p><br />　エアは、おもいきって、おとこのこに　こえを　かけました。</p>
<p><br />　ふりかえる、おとこのこ。</p>
<p><br />　てにもった　ほんには、<br />　オレンジいろの　たいようが　かかれています。</p>
<p><br />　おとこのこが　さがしているもの。<br />　それは、この　たいよう　でした。</p>
<p><br />　エアは、おとこのこに、たいようは　そらにある、と<br />　まっくろい　くもを　ゆびさしますが、<br />　おとこのこは　しんじようとしません。</p>
<p><br />　　たいようは、せかいじゅうを　えがおにかえる、<br />　　まほうの　ひかりだよ。<br />　　それが、あんな　くものうえに　あるもんか。</p>
<p><br />　おとこのこは、わらいながら　とおりのむこうへと<br />　あるいていくのでした。</p>
<p><br />　そのひの　よるのこと。</p>
<p><br />　まちは、おおあめに　なりました。</p>
<p><br />　どんどん　ふりつづける　あめ。<br />　やみそうな　けはいは　ありません。</p>
<p><br />　その　あめのなかを　あるく、まちの　ひとびと。</p>
<p>　<br />　まいにち、くるしいことばかり。<br />　もう、あめに　うたれるくらい　なれてしまったのです。</p>
<p><br />　その　かなしそうな　めに。<br />　その　さがったままの　かたに。<br />　その　くたびれた　ためいきに。</p>
<p><br />　みんな　なれて　しまった。</p>
<p><br />　そのときです。</p>
<p><br />　どしゃぶりの　あめの　なか。<br />　ひとつだけ　あめの　ふらない　ばしょが　ありました。</p>
<p><br />　そこに　たっている　ひと。</p>
<p><br />　エアです。</p>
<p><br />　えがおの　エアです。</p>
<p><br />　その　かなしそうな　めに。<br />　その　さがったままの　かたに。<br />　その　くたびれた　ためいきに。</p>
<p><br />　えがおを　むける、エアが　たっているのでした。</p>
<p><br />　まちの　ひとびとは、ふしぎそうな　かおをして、<br />　エアの　まわりに　あつまってきます。</p>
<p><br />　あの　おとこのこも、やってきました。</p>
<p><br />　エアは、めのまえにいる　しょうじょに、<br />　やさしく　ほほえみかけました。</p>
<p><br />　すると、どうでしょう。</p>
<p><br />　しょうじょのかおに　えがおが　もどりました。<br />　それまで　ふっていた　あめが、すこし　よわく　なりました。</p>
<p><br />　となりの　おとこのひとが、えがおに　なりました。<br />　その　となりの　おんなのひとも　えがおに　なりました。</p>
<p><br />　みんな、みんな　えがおになりました。</p>
<p><br />　えがお。<br />　えがお。<br />　すてきな　えがお。</p>
<p><br />　だれかの　えがおが、<br />　だれかの　えがおを　つれてきます。</p>
<p><br />　めのまえで　うつむく　しょうじょに、<br />　なにも　いう　ひつようは　なかったのです。</p>
<p><br />　「かなしみは、かなしみを　よんできちゃうよ」</p>
<p><br />　まっくろい　くもの　きれまから、<br />　まっしろい　ひかりが　さしこみました。</p>
<p><br />　　たいようだ。<br />　　たいようを　みつけたよ！</p>
<p><br />　おとこのこの、うれしそうな　こえが、<br />　まちじゅうに　ひびいているのでした。</p>
<p>&nbsp;</p>]]>
        
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>エア～さみしさあじの　コーヒー～</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://iyashi-story.com/2008/05/post-41.html" />
    <id>tag:iyashi-story.com,2008://1.51</id>

    <published>2008-05-28T15:00:00Z</published>
    <updated>2008-05-28T13:10:34Z</updated>

    <summary>　ちいさな　まちの　すみっこに、　ひとりの　おとこのこが　すわりこんでいます。 ...</summary>
    <author>
        <name>まみや</name>
        <uri>http://sanjinodouwa.blog114.fc2.com/</uri>
    </author>
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://iyashi-story.com/">
        <![CDATA[<p>　ちいさな　まちの　すみっこに、<br />　ひとりの　おとこのこが　すわりこんでいます。</p>
<p><br />　あめのふる、さむい　よる。</p>
<p><br />　ひとりの　しょうじょが、<br />　おとこのこの　まえに　やってきました。</p>
<p><br />　てにもった　ちいさな　かさ。<br />　ぽたぽた、と　しずくが　おどりだします。</p>
<p><br />　エアです。</p>
<p><br />　さみしそうに　うずくまる　おとこのこに、<br />　エアは、いっぱいの　コーヒーを　さしだしました。</p>
<p><br />　おとこのこの　のどに、<br />　エアの　やさしさが　ながれおちていきます。</p>
<p><br />　えがおになった、おとこのこ。<br />　かさを　しずかに　じめんに　おくと、<br />　エアは、やどへと　かえっていくのでした。</p>
<p><br />　つぎのひのこと。</p>
<p><br />　エアが、あの　おとこのこの　ところに　やってくると、<br />　たくさんの　ひとだかりが　できていることに　きがつきました。</p>
<p><br />　ふしぎにおもった、エア。<br />　すぐに、おとこのこ　ところへと　むかいます。</p>
<p><br />　とても　いい　かおり。<br />　しゃり、しゃり、という　ここちいい<br />　おとも　きこえてきます。</p>
<p><br />　そこに　あったもの。<br />　それは、クリームのような　ゆげを　たてている、<br />　コーヒーでした。</p>
<p><br />　エアからもらった、あの　コーヒーの　かんどう。<br />　おとこのこは、それを　みんなに　つたえたかったのです。<br />　いらなくなった　コーヒーメーカーを　ゆずってもらいました。</p>
<p><br />　うれしそうな　おとこのこの　かお。<br />　そして、おいしそうに　コーヒーを　のむ、<br />　みんなの　すがた。</p>
<p><br />　エアは、それをみているだけで、<br />　こころが　あたたかくなるのを　かんじるのでした。</p>
<p><br />　それから、しばらく　たった　あるひのこと。</p>
<p><br />　エアは、この　まちを　でることに　きめました。<br />　おとこのこの　ところへ<br />　さいごの　あいさつに　むかいます。</p>
<p><br />　その　とちゅうのことです。</p>
<p><br />　エアの　めのまえを、<br />　だれかが　かけていきました。</p>
<p><br />　おとこのこです。</p>
<p><br />　そのあとを　おいかけるように、<br />　ふたりの　おとこのひとが　はしっていきました。</p>
<p><br />　エアも、いそいで　あとを　おいかけます。</p>
<p><br />　しばらくいくと、おとこのこが<br />　おとこのひとに　つかまっているのが　みえました。</p>
<p><br />　エアは、かたで　いきをしながら、<br />　おとこのひとに、はなしを　ききます。</p>
<p><br />　じめんに　ころがっている、よごれた　コップ。</p>
<p><br />　それは、おとこのこが、<br />　コーヒーを　いれているものでした。<br />　なかには、タバコのすいがらが　はいっていました。</p>
<p><br />　めがくらんだのです。</p>
<p><br />　まずしい　くらしをしていた、おとこのこ。<br />　コーヒーが　うれることに　きがついて、<br />　おかねもうけに　はしってしまったのでした。</p>
<p><br />　だれかが　のこした　コーヒーを、<br />　ほかの　だれかに　うればいい。</p>
<p><br />　そんなことを　かんがえてしまったのです。</p>
<p><br />　エアが　ひっしに　あやまる　すがたに、<br />　おとこのひとたちは、まちのほうへと　かえっていきました。</p>
<p><br />　しずかな　じかんが　ながれました。</p>
<p><br />　エアは、おとこのこを　たたせると、<br />　すぐに　まちに　むかって　あるきだします。</p>
<p><br />　そして、コーヒーメーカーのところまで、やってくると、<br />　しずかに　コーヒーを　つくりはじめました。</p>
<p><br />　できあがった　コーヒー。<br />　それは、ほんとうに　さみしそうな　いろを　していました。</p>
<p><br />　おとこのこの　のどに、<br />　エアの　さみしさが　ながれおちていきます。</p>
<p><br />　また、あめが　ふりだしました。</p>
<p><br />　なみだが　あふれました。<br />　あめにまじって、ほほを　つたいました。</p>
<p><br />　おとこのこのめに、<br />　ちいさな　ほのおが　ともったのを、<br />　エアは　しっかりと　みつけました。</p>
<p><br />　もういちど、かんどうするような　コーヒーを　つくろう。</p>
<p><br />　おとこのこは、そう　かんがえなおして、<br />　ひっしになって　まめを　ひきだしました。</p>
<p><br />　「たいせつなのは、だれかのために　なりたい、と　おもうこと」</p>
<p><br />　とても　いい　かおりが　してきました。</p>
<p><br />　もうすこし、ここにいよう。</p>
<p><br />　エアは、こころのなかで、そう　つぶやくのでした。<br /></p>]]>
        
    </content>
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