初日の出

地方の男子高校を卒業し、上京して東京の大学に通い始めると同時に一人暮らしを始め、4年が経つ。

でも、大学生活は不思議なことに、あと1年残っている。

 

今年の正月は実家に帰らずにツレ2人と飲み明かした。

紅白歌合戦をBGMに、ドンドンビールをあけて飲み進めていく。

いつの間にか『年の初めはさだまさし』が始まっている。

 

それでも構わず飲んで騒いだ。

こういうことをやっているから、留年なんかするんだよなと、だんだんと登ってくる初日の出を眺めながらツレと呟いた。

 

「・・・なぁ、外いかねぇ?」

「寒ぃじゃん」

「がまんしろって、泊めてやったんだからそれくらい付き合えよ」

ぶつぶつ言いながら3人で外に出ると、初日の出が神々しく光っていた。

 

酔い覚ましにコンビニで缶コーヒーとミネラルウォーターを買うことにした。

コンビニに向かう途中にある公園のベンチで、一休みをすることにした。

 

おもむろに一人が携帯を取り出し、写真を撮り出す。

それを合図に、みんなで写メ大会になった。

 

「お! この構図サイコー! メッチャきれいに撮れたって! 見てみ?」

「アングルがわりぃなぁ・・・太陽下向いてくれねぇかなぁ」

などとわけのわからないことを言いながら、公園ではしゃいでいると、

オレがメールの着信に使っている曲が流れ出す。

 

携帯を見ると、ちょっと手ブレしている太陽の写真が送られてきていた。

「んだよ! 送ってくんなよ!」

と言うと、二人とも

「送ってねぇよ!」

と言う。

 

おかしいなと思って送信者を見ると、お袋だった。

 

『あけましておめでとうございます。

 元気していますか? 東京は寒いと思うからあったかくしてくださいね。

 寝ていて初日の出を見れないかもしれないから、

 母さんが変わりに見てあげました。

 なれない操作で上手く撮れなかったけれど、初日の出を送ります』

 

と書いてあった。

 

オレは一瞬、今撮影した初日の出を送り返してやろうかと思ったけれど、やめておいた。

昼過ぎぐらいに、眠そうなメールを返そうと思いながら、また3人でコンビニに向かって歩き出した。

執筆日:2008年1月 9日 11:45 作:癒し人
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